2023年沙田競馬場訪問記

2023年12月、沙田(シャティン)競馬場で香港国際競走を観戦したときの記録

2023年12月10~12日にかけて香港に行き、沙田競馬場(Sha Tin Racecourse)で香港国際競走(Hong Kong International Races)を観戦したので感想を述べる。

はじめに

今まで、国内ではかなりの数のレースを観戦してきたが、海外競馬はテレビやインターネット配信でしか見る機会がなかった。 12月に、少し時間に余裕ができたので、海外競馬を生で見てみようと思い立った。 日本の近傍で大々的に競馬をやっているところは香港、ソウル、オーストラリア、シンガポールなどがあるが、そのうち日本馬が多数出走し大きなレースも多い香港に行ってみることにした。

しかし、香港どころか海外に行ったこと自体がなかったため、少し不安があった。 例年、複数の旅行会社が香港競馬に行くツアーを組んでいたため、最初はこれを利用しようと考えていた。

ところが、11月に入ったところで、一番狙っていた会社でツアーが組まれないことになってしまい、路頭に迷った。

なんとかして行きたいと思い、いろいろ調べたところ、航空券とホテルをセットで予約することにより、ツアーよりも安価に旅行できることに気づき、これを利用することにした。 ツアー会社のサポートなどは受けられないが、まあなんとかなるじゃろというマインドで。

せっかくなので、競馬場の指定席も予約した。自分の席があると断然快適であることは、中山競馬場ですでに学んでいたので。

出発

パスポートをとり、羽田空港から出発した。

実は、今までの人生で2回しか飛行機に乗ったことがなく、墜落しないか若干不安だったが、特に問題なく人生3回目のフライトを楽しむことができた。

今回は、往復ともにキャセイパシフィック航空を利用した。最新型のエアバスA350が使われており、快適だった。機内食もうまい。

香港到着

香港国際空港はとても綺麗で大きい空港だった。

空港からは機場快線(Airport Express)に乗ることで、素早く街中に移動することができる。 バスでもいいが、今回は初めてなので順張りで鉄道を使うことにした。 鉄道カウンターでは英語が通じるため、問題なくチケットを購入することができる。

ホテルに着いた後はしばし散歩をし、Victoria Harbour を見物したりした。

競馬場へ

シャティン競馬場へは、MTR東鉄線(East Rail Line、水色の線)で馬場駅(Racecourse Station)に行くのが便利である。 発車標を見ると、経馬場(Via Racecourse)と書かれた電車があるので、これに乗れば良い。電車内はかなり混雑していた。

経馬場の発車標

馬場駅

馬場駅は競馬場に直結している。普通に入る場合はオクトパスカードをかざして入場料を支払うことで、そのまま入れる。 今回は指定席を確保していたので、一番右側の黄色いゲートから入る。

入口のゲート

ゲートでQRコードの提示を求められたが、予約時には予約コードの文字列しか発行されなかったので、少し困惑した。 そのことを相談したところ、係の人が予約コードをQRコードに変換して機械に通し、ゲートを開けてくれたので事なきを得た。 ゲートではオリジナルの帽子をもらった。

案内

指定席

今回予約したのは百勝廳(Pak Sing Restaurant)という場所である。 席からはターフを望むことができ、レースの間に中華のコース料理を楽しむことができる。 料金は2人で1000香港ドルである。大体1人当たり1万円くらい。

エレベーターで5階に登り、入り口にある機械に予約コードを入力すると入場券が発行される。 レストランに入るにはこれが必要となるので、なくしてはいけない。 なお、レストランの入り口でレーシングプログラムと競馬新聞を無料で配っている。ただし広東語なので何が書いてあるのかはさっぱり分からない。

メニューは広東語と英語のみが書いてあって解読に苦労したが、指をさしながら英語でメニュー名を伝えれば問題ない。 広東料理は辛いものが少ないので、辛味が苦手な私でもおいしく食べることができた。 もちろん、辛いメニュー(唐辛子マークが書いてある)もあるので、辛味が好きな人は挑戦してみても良いかもしれない。

料理

競馬

香港競馬では、当然賭けをすることができる。

指定席においては、窓口でVoucherを購入し、券売機に挿入することで賭けができる。 卓上にマークカードがあるのでそれを使えるし、タッチパネルで買い目を選ぶこともできる。 券売機では英語も表示できるので、問題なく掛け方を指定できる。

バウチャー

席上ではオッズや馬の様子が映し出されたモニターが多く備え付けられている。

香港競馬の特徴として、賭式の種類が多いことが挙げられる。 日本でお馴染みの単勝や馬連、ワイドなどはもちろん、4連複や4連単、馬連を2連続で当てたり単勝を任意回連続で当てたりする馬券など、多種多様なものが楽しめる。

ナミュール

少しばかり、下の一般席に降りて楽しんでみたが、大声で馬を応援する人や馬券を外してうなだれるおじさんなどがいた。 人々の楽しみ方は日本とそれほど変わらないことがわかった。さながら中山競馬場にいるような気分である。

一般席の様子

レースの本番が始まった。どのレースでも香港の馬が圧倒的に強かった。 日本勢はゼッフィーロやナミュール、プログノーシスなどが強さを見せたが、 Romantic Warrior(浪漫勇士)や Golden Sixty(金鎗六十)、Lucky Sweynesse(金鑽貴人)などの地元勢が1位を総なめした。

地元民は香港の馬が勝つと大盛り上がりで、リプレイが流れるたびに大きな声を出して喜んでいた。 たしかに、外国から強い馬が来る中で地元の馬が優勝したら喜びもひとしおであろう。

馬券の方はさっぱりだった。ヒシイグアスの複勝しか当たらなかった。

競馬場での話題とは逸れるが、街中を歩いてみると、場外馬券売り場がかなり多いことに気づく。 日本ではWINSは大きな駅の前などにしかないが、香港ではコンビニ感覚で青い看板の場外を目にする。 さらに、香港のジョッキークラブは競馬だけでなくサッカー賭博もやっており、夜遅くまで人々が売り場にいることがわかる。

その後

レースのあった翌日は香港島に行った。

2階建ての路面電車で有名な香港トラムに乗って Happy Valley(跑馬地)に行き、ハッピーバレー競馬場の競馬博物館を見学した。 香港はかつてイギリスの植民地だった。イギリス時代の開催案内や馬券、当時の写真などが飾られており、大変興味深かった。 香港馬として初めて日本のレースを制した馬であるフェアリーキングプローン(靚蝦王、2000年安田記念優勝)の紹介もあった。

競馬博物館

無料で入れるし、人も少ないので穴場のおすすめスポットである。 グッズ売り場もあるので、お土産を購入することもできるし、レストランもある。

雑感

その他、気づいたことを雑に述べる。

  • エスカレーターでは右側に立ち、左側を歩行者のために開けておくスタイルだった。すなわち、大阪と同じである。 エスカレーターの速度は大変速い。つくばエクスプレスの高速エスカレーターよりも速い。日本のエスカレーターもこれくらいキビキビと動いてほしいものである。

  • 広東語がさっぱり分からない。大学で北京語(普通話)はある程度勉強していたため、電車のアナウンスなどで流れる北京語はほんのちょっと理解できたが、 広東語は発音も文法も全く違うので、理解ができず苦しかった。 たとえば、「沙田馬場」は北京語ではシャーティエンマーチャンだが、広東語ではサーティンマーチョェンみたいになり、声調(アクセント)も全然違う。

  • 英語は通じる。小さい商店とかは怪しいが、駅や競馬場などの公共施設や大きい店では全く問題なかった。 もっとも、私の英語力が壊滅的に低いため、苦しかったことに変わりはないが。

  • 競馬場の賭け以外で香港ドルの現金を使う機会はほどんどない。小さい商店で買い物をする時くらいしか使わない。 香港のコインは大きくて重くてかなり邪魔くさいので、できれば持ち歩きたくない。

  • 大体の店にオクトパスカード(日本でいう Suica みたいなやつ)の読み取り機があるため、基本的にこれで支払いができる。 なお、iPhone に専用のアプリを入れると、モバイルでオクトパスカードが使えるようになるので、大変便利である。 Apple Pay を使い、登録したクレジットカードからチャージすることもできる。 当然、オクトパスカードで電車やトラム、バス、船などにも乗れる。

  • 私は今回現金を競馬場で使うために両替をしたが、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)の重慶大厦(Chongqing Mansion)というビルにある謎の両替屋のレートが良いので有名である。 実際、私が香港で見かけた両替屋の中では最もレートが良かった。 東京外為市場のレートよりも良い店があり、びっくり。 競馬場にも両替所があり、そこのレートも(空港とかよりは)悪くないが、余裕があるなら重慶大厦に行ってみるのも良いだろう。

おわりに

大変貴重な機会となった。 香港は、競馬をしっかりやっている国の中では比較的安価に行くことができるので、皆さんもぜひ行ってみてはいかがだろうか。


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